西京極の家

完成!   上棟   アイシネン  外壁  ケンサクの軌跡  住みはじめてその後 
 J'sアトリエのサイトをご覧のみなさん。今回、西京極に家族4人の小さな家をつくっていただくことになった施主のSです。小学校6年生と2年生の2人の男の子がいますが、上の子がアトピーで少し苦しんでます。今は建設地近くのマンション暮らしですが、マンションではさけられない結露やカビをさけることを第一の目的にできるだけ自然木をつかって家を建てることを考えました。
 ところで、どうしてコイデさんにたのんだか。それは、コイデ事務所に最初に訪問したとき机の上にころがっていた磁器レセップ(写真参照)を私が手にとっていると、「それいいでしょう。プラスチックのものよりも。しかも、それすごく安いんです」という言葉が・・・。この言葉がとっても気に入って、この人なら本物でかつ「安い」(安物ではありませんよ)家をたててくれるんではと思ったからなのでした。ほんとはあと何人か建築士さんにもあわないとだめだろうなと思っていましたが、結局他の建築士さんにはあわず、自分の直感を信じて決めました。事務所の廊下につみあげられた美山町産の杉板やオスモの缶、手作り机などをみて、なぜかうれしく思ったことを覚えています(約5ヶ月前ですが)。
 ということで、コイデさんも今回の家については進行に会わせてアップすると決意をされているようなので、施主の私たちもコメントをよせていこうと思います。
西京極の家・敷地 とても狭い道に面した敷地です。目の前の電柱が邪魔なんですが道の端から撮ってます。まだ日の高い時間帯でしたが向いの家の影が落ちてますね。
S>下水道や上水道の条件はそれぞれ局へいって自分で確かめ、前道がせまくても建築確認が降りることやその他のこともすべて京都市の担当部局にいって自分で調べた結果購入を決定しました。自分でも案外いろんなことを調べられます。価格についても、今は路線価図がインターネットで閲覧できてしまいます。

前面道路は42条2項道路です。幅員が1.8mで道路中心線から2m後退しなければなりません。
地盤調査 地盤調査 S>ここは江戸時代以前からの集落地で、お向かいの家は江戸中期の建築です。こんなことも参考にしました。

外周部6ヶ所の地盤調査を行いました。部分的に下の層で軟弱地盤もありますが、基礎底面の深さの層は特に悪くないことと全般には良い数値が出ていたので、設計通りベタ基礎のままとします。
地鎮祭?地鎮祭? 四隅とトイレのくる位置にお米と塩とお酒をまきました。
A(赤いジャンパーの男の子)>お酒まいてもったいないな〜と思いました。
掘削 配筋 掘削
基礎の底深さ、地面の様子を確認します。

基礎配筋
鉄筋の太さや間隔、定着長さ等をチェックします。設備配管用のスリーブ等も。
コン打ち ベースコンクリート打設
(ポンプ車が入らないので手押し車)

S>家づくりに関心をもってから通りかかりの建売などの基礎もみていますが、そんなのとは全然違う厚みのある基礎です。とっても満足しています。
土台 建て方 土台伏せ
ヒバ127ミリ

建て方
柱・梁はほとんど杉
(荷重のかかる梁のみ米マツを使用)
上棟 上棟
登り梁の上に野地合板24ミリで一気にここまで

写真の斜め材は仮筋かい
ほんとうの筋かいはこのあと入れていき金物を取り付けます。
筋かい・金物取り付けが終わった段階で中間検査を受けます。検査済証がなければ次の工程へ進むことができません。

S>本当に1日で上棟してしまうのですね。びっくりしました。図面で想像してたのよりけっこうボリュームを感じます。
透湿防水シート  吹付け前の養生 断熱材工事の前
アルミサッシ、開口部下地、間柱入れのあと、木ずりを家の外周に打ち付け防水紙でくるみます。
これの内側にアイシネンを吹きつけます。

S>木ずりとは横方向にうちつけてある杉板です。登り梁、間柱など建築用語についていくのに実は一苦労しました。
吹付け中


吹付け後
新しい気密断熱システムで初めて採用してみます。
現場発泡なので気密性はばっちり。断熱性も明らかに外気温との違いを感じます。
フロンガス等を使用せず、VOCも排出しないとのこと。溶剤の化学反応だけで容積が100倍にふくらむモノ。








膨れてはみだしたアイシネンはパン切り包丁のようなもので削ります。
S>アイシネンを使うことで壁構造がシンプルになりました。断熱と防湿をかねています。吹きつけですから、外壁(木ずりと防水シートおよび左官材)と断熱材の間に隙間はありません。
アイシネンの内側と内壁材(石膏ボード)の間はアイシネンによって隙間なく外と遮断されていますから室内と同じです。よって、結露は生じないという考え方です。
アイシネンが吹きつけ材であり、隙間なく施工されればほぼ完全に外と内との空気の流れを遮断できるという1点にその性能の成否はかかっているといえます。
現場で見た限りでは相当分厚く吹いてもらい、壁中一杯に充填されたって感じです。期待どおりの性能を発揮するか、とりあえずは真夏が楽しみです。

さくさく削る
船用丸窓 船舶丸窓 S>ネットからとった資料をもったコイデさんからの「どうですか? つけてみません?」という甘いささやきをうけてつけてみました。結果的に、この家のきわだった個性になったと思います。人に来てもらう時には、きっと「船用の丸窓が2つついている家やし」などと案内することになるでしょう。
外壁塗りの様子
高千穂の「シラスそとん壁」という外装用左官塗り材料。
外壁塗り
足場がとれて出来上がりを見てみると、素朴で質感があってなかなかいい感じ。
火山灰<シラス>を原料にしていて化学物質が入っていない素材。
1日目は経験のある施工指導の方に来ていただきました。
仕上げ方法は三条大波仕上げ。
実際に塗ってみた左官職人さんたちに聞くと考えていた以上に厚塗りしているという感触があったそうです。たしかにこすり落としたそとん壁の量が多いです。
完成前の1日。
玄関の土間にビー玉と陶器のかけら、陶石を埋めてみました。
Eさんのデザイン。かっこいいです。発掘現場のようです。。。
ビー玉埋め

恐竜の足跡

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