西京極の家/住みはじめてその後

準備・上棟  完成!  ケンサクの軌跡
またもや!今頃載せるなんて、お叱りの言葉が聞こえてきそうです。申し訳ありません。
住みはじめたSさん&Eさんからのお便りです。 1ヶ月点検 床材えらびは下のほう
Sさんからお便り(2005.1)
おひさしぶりです。
厳冬期の室内気温について報告しておきます。
今朝7時に玄関の靴箱の上の温度計は11度でしたが、リビングの丸窓横の温度計は15度でした。5度の差が常にあります。
これってアイシネン効果でしょうか?西陣の家でもアイシネンを使われたようですね。効果ありとみていいんでしょうかね。
ところで、東部開発はもうアイシネンの代理店をやめたんですね。アイシネン保証書もキングランの保証書なので別に問題はないんですね。

お向かいの築200年の家はどこかへ移築されるようで、、、とりあえず、前の道路はひろがりそうです。
ご報告ありがとうございます。
やはり、前夜の暖房というか人の温かさが残っていてさめにくいんでしょうね。玄関部分もアイシネンでくるまれてますけど暖房はないですから。
西陣の家は、以前住んでいた状況との比較ができて、まったく違うそうです。
問題は、やはり前面道路が狭く、アイシネンの車のために通行止めにしなければならなかったことくらい。あの車の大きさが京都市街地ではネックなんですよね。

東部開発は同じ近畿地方の代理店だったケイジー断熱というところと業務提携をしています。
一緒に働いてる方も仕事内容も前と変わらないのでなにかあれば対応してくれますし、実際の勤務場所も前と同じく亀岡で変わっていないはずです。

お向かいの移築、興味深いお話ですね。いつ解体されるのかわかったら教えてください。

Eさんからお便り(2004.9)
ご無沙汰してます。いかがお過ごしでしょうか。台風の折りはお騒がせしました。
今日久しぶりにコイデさんのHPを覗いてみたらハニワが出ていたので驚きました。わたしの努力に対するコメントありがとうございます。アップが遅いからと怒ったりしてませんよぉ。

やはり今年の猛暑にはアイシネンも勝てず、Sが期待していたクーラーの効き目は二階までは至りませんでした。
結局熱帯夜の日々が続いたので、わたしは一階で寝て過ごしました。(朝起きる頃までにはいつのまにか足元付近に小さい人たちが必ず二人参加して来るので、布団は一人分多めに敷いて寝たりなんかもして…)
ただ、この頃は涼しくなってきたので、窓という窓を全開にするといい具合に空気が循環してくれます。
今日もわたしが一番遅く帰ってきたのですが、子どもたちが自分たちが暑いせいか、帰って早々に窓を開けておいてくれたので、すごく快適でした。
アイシネンは冬の効果の方に期待するといたしましょう。(何と言っても極寒のカナダで愛用されているわけですから)

HPにアップされた後で変化があった点は、二階の手すり部分の本棚が撤去されたことです。
理由はクーラーの冷気の通り道をふさいでしまったことですが、本棚を撤去したからといって冷房の効果は二階全体までには至りませんでした。(ただ、Sが本棚に入りきらない本をやたらとその周辺に散らかすので、撤去したこと自体は正解でした)
「二階にもクーラー付けようかぁ」というSの独り言を聞かない振りをして何とかこの夏はやり過ごしました。来夏が今年ほど暑くなければいいのですが。

庭もいろいろとハプニングを経験しながら(ホウセンカを植えたら毛虫にやられる、シソは枯れる、山椒も枯れる、植えていないはずのカボチャが異常にはびこる、など)徐々に形になりつつあります。(と思いたい)
ムクゲを植えたのがちょっと正解でした。今夏最後になるだろうムクゲの花が三種三様に咲いています。芝生も正解でした。Sも子どもたちも「ちゃんと生えるのぉ?」なんて言ってましたが、しっかり根付いて、芝刈り機を必要とするくらいボウボウになりました。明日秋に備えて刈り揃える予定です。
これからも少しずつ人も家も変化をしながら共に暮らしていく予感がします。

アイシネンとクーラー効果
冷気は上がりませんよーと言っていたつもりだったのですが、、、
やはり熱帯夜が続くある時期は、1階で過ごすというのが省エネな生活のような気がします。
あんまり風が通り抜けすぎると冬が寒いですから、、、冬はアイシネンとペアガラスに期待しています。
またお庭&家の様子を見におじゃましたいと思います。
進化していく家は楽しみですので、その折はどうぞよろしくお願いします。

Eさん>  1ヶ月点検 (2004.5)
 1ヶ月点検に来られる、ってことで、建ったあと、住んでみてどうか、ということを改めて考えてみました。
そんでもって、実は家庭菜園にしよう、とか、庭はもっとこう、とか未完成の部分もあって、週末あちこちコチョコチョいじってはいるものの、それは個人の趣味の領域に入っているわけで。
点検なんだから、なんか建てた後の不満・不平があったら言わないとな、って考えてみたのですが…はっきりいって「これといってナイ!」
 考えてみたらそれってすごいことですよね。
 マンションに暮らしていたときは、キッチンを使っていても「ああ、ここが不便なんだよなぁ、まったく」とか「洗面所狭いんだよなぁ、まったく」とか、できあがったものに入ったが故の不満・不平が結構あったと思うんですが…

今の家にはナイ!!真剣に考えたけど、全然ないのです。

 これこそ、設計段階から一緒に考えていった成果だよなぁ、なんて思って。
これといって「素晴らしい!!」とか「使いやすい!!」とか感動するような変化じゃないのですが、体になじんでいるというか、自然に生活にとけ込んでいるというか、まだ1ヶ月しか経ってないとは思えない自然さです。

 近所の評判の方がなんか意外なほど上々で、結構お年を召した方が多い地域なんですが、棟上げ直後から「柱がしっかりしていて気持ちがええ」とか「卑しい建て方とちゃいますなぁ」とか言ってもらってますし、自分で造園をしていると近くの奥さんが「芝生はえへんかと思ったけど生えてきましたなぁ」とか声をかけてくださったり、いい意味で地域の注目を集めているようです。
 コイデさんに「近所のおばさま連中が興味津々で結構チェック入ってるみたい」と話したら、「防犯の意味でも良いことですよね」って言われて、ああ、そうかぁ、って妙に和んだりしてました。
 こころなしか子どももよく友だちを呼ぶようになってるような。前は毎日のように誰かが来る、ってことはなかったのですが、結構3日と開けず、2人のどちらかの友だちがうちの子と一緒に「お帰り〜」とユニゾンで出迎えてくれます。


水性塗料(Jカラー)で仕上げた壁に同じJカラーでアクセントをつけてみた!
ステンシルの要領でハニワ模様の型紙
デザイン・型紙ともEさんの力作!施工もEさんがんばる!ほんとうにかわいいです。

吹き抜けの手すり内側にホームセンターで買ってきたパーツで棚をつくる。釘などは使わず差込式なので自由に高さを変えられる。
勾玉型の座金(かわいいでしょ)

Sさん> 床材えらび

 最終的にリビングの床と2階と1階天井兼用の床は杉のサネ加工された無垢無塗装の長尺のフローリング材となりました。良かった点は「はだしで歩きたくなるあたたかさを感じる」「杉の香りが香ばしい」「この厚さ(リビングは18ミリ、2階床は38ミリ)の無垢無塗装フローリング材の中ではもっとも安い」という点です。弱点は「やわらかいので傷がつきやすい」「節が抜ける場合もある」「板が収縮して有る程度隙間があく部分がでてくる」ということです。
 計画を立てていく中で、とある材木屋さんからはリビングは使用頻度が高いので、もう少し堅く、予算的にもリーズナブルな楓をすすめられました。また、杉三層合板(Jパネル)も検討しました。これは上述の良かった点をもちつつ、弱点にあげた節抜けや収縮がほぼないという材料で、これについてはかなり真剣に検討しました。いろいろ悩んだ結果、デメリットを承知しつつ「美しく、かぐわしく、あたたかな」杉フローリングにしました。コイデさんからはしつこいぐらいに先にあげた弱点を考慮するようにいわれました。

 住んでみての感想ですが、さっそく傷をつくっています。写真の傷はゲームキューブを子どもが80センチぐらいの高さからおとした結果ついた傷です(写真a参照)。ほんとうに簡単に傷がつきます。でも少したつとふくれてきて回復することもあります。また、事務用のキャスターのついた椅子を使用していますが、すぐにキャスターの跡が露骨につきました。継ぎ目の隙も数ミリあいてきました(写真b参照)。節抜けもありました。弱点は必ずでるというのが感想です。でも、それで後悔はしていません。不思議に気になりません。なぜでしょうか? それはきっと杉の良い点はすべてこの弱点あってのことであり、弱点は良い点があってのこと、つまり良い点も弱点も一体となって杉材なのかなと思います。

で、結論です。私たちは「杉と暮らす」という選択をしたのです。

 もっとも、洗面所と台所はウレタン塗装の竹フローリングを使用しました。これはこれで用途にあった選択でした。水ははじいてくれるし、多少のものをおとしてもびくともしません。かつ、竹は弾性があるので牛乳瓶を1メートルの高さからおとしてもわれたりしません。こちらは徹底的に機能性を追求したわけです。考えてみれば台所と風呂場を含む洗面所とトイレは暮らしをつつみこむ家のなかでもっとも機能がはっきりした部分です。これはこれで必然的な選択だったと今さらながら思います。

 家は人の暮らしを支える機能を果たすとともに安らげる場でなくてはなりません。その絶妙なバランスを追求する過程こそ家造りの最大の楽しみかも知れません。
写真a ゲームキューブを落とした傷
写真b キャスターの跡と板のすき間

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