西京極の家

準備・上棟   ケンサクの軌跡  住みはじめてその後
 施主のSさんとはネットがご縁で知り合いました。
初めはメールで土地を買うにあたってのご相談でした。 建てられるかどうかもわからない、という状況でしたし その時は一緒に家づくりをすることになるとは思っていません。
 その後しばらく、Sさんはかなりの数の土地や建売住宅、モデルハウスを見て回り研究されます。そして ある土地を買うことになりました。 (前面道路がとても狭いので建築確認申請をできるかどうか、また隣地との関係がポイントでした)
 何回かメールのやり取りをした後に初めてお目にかかりました。 その時も「わたくしのところへ来たからといってすぐに決めないでください。 設計者を選ぶ時も複数の人に会って…。 自分たちと感覚が合うなーという人でないとうまくいかないと思います。」 と言いつつ…初対面ながら楽しくお話したと覚えています。
どうしてわたくしと一緒につくる気になったかは 準備・上棟編のコメントにあります。 新しい家の住み心地はどうでしょうか。
Sさん>家全体が「ひとつの部屋」のような家になりました。1-2階は吹き抜けで完全につながり、子ども部屋にいたっては吹き抜け部に建具なしの大きな開口部があります。屋根裏は2階の西側のこども部屋、東側の両親寝室どちらにもオープン開口しています。壁でかこまれた個室はトイレと洗面所、納戸ぐらいなものです。
家を見に来られた人は皆さん、材木の太さ大きさにおどろかれます。特にリビングの真ん中の梁は写真(夜景写真の下、丸窓の手前の梁)で見る以上にボリュームがあります。
西京極の家・外観

1階床面積  49.69u
2階床面積  44.51u
延床面積   94.20u
建築面積   50.05u



丸窓 船用丸窓
ダイニング・対面キッチン
西京極・リビング
リビングルーム
丸窓がついている壁は道路に面しています。道行く人から丸見えになるのは気になります。外の様子も少しはうかがえるようにと考え「つけてみません?」とすすめてみました。
掲示板
インターホン・分電盤・セコム盤
ファクシミリを置いて家の情報コーナーです。
カウンター
Sさんが材木屋で見つけてきました。
仕上げは工務店の社長自ら磨いています。

洗面所 トイレ
屋根裏

階段をあがってきたホールはSさんの仕事場
Sさんからコメント> 手続き
 今回、我が家は借金を前提に、更地を買ってさらにフルオーダーの家をたてるというくわだてでした。しかも工務店に一括請負ではなく、設計があがってから工務店をあい見積もりで選定し、さらに電気と断熱材は分離発注し、もひとつおまけに構造材やその他一部の設備を親戚ルートやネットショップで買って施主支給をするというやり方でした。家を建てるということを堪能できたと思います。
 しかし、その代わり自分で管理しなければならないもろもろのことがたくさんあり、いっぱい落とし穴があってなかなか危機的でした。

 まず、土地を買うのに借金したのですが、つくるべき家の設計もあがっていない、工務店もきまっていないという段階での借金ですから、銀行への説明と手続きがたいへんでした。銀行が普通つなぎ融資するのは家の図面と請負工務店がきまっていてはじめてやってくれます。今回は初期段階の設計とそれにもとづく概算だけでなんとかしてもらいました。時間はかかりましたが。

 次が工務店選定でした。まったく紹介やつながりのないなかで一からさがしたのでした。これが結構てまどりました。一時はほんとに年内着工できるのかと不安にもなりました。基本は地元工務店というのだけはありましたが。幸いにもよい工務店さんにめぐりあうことができました。

 次は、断熱材にアイシネンと採用しましたが、その施工の車が大きいので道にはいれません。結局南側の駐車場を使わせてもらわないといけなかったんですが、その交渉も施主の責任になりました。アイシネン採用は施主がきめたわけですから工務店に責任はありません。これも結構手間取り、一時はアイシネン断念かとも思いましたがなんとかのりきりました。

 最後に登記関係でした。登記なんてまるで頭にはいっていませんでした。3月中にローンを組むためには3月半ばには建物登記が終わってないといけません。そのためには3月最初に登記申請をださないといけません。内装の最終段階でしたが、工事完了の証明をはやめに工務店からだしてもらい申請にいきました。なお、今回は司法書士を通さず、自分で実行しました。ちょっとしたトラブルもありましたが、3月1日に最初に法務局にいって、19日には登記謄本が入手できる状態までもっていくことができました。売買にともなう登記や抵当権の登記などは相手方があるので、むずかしいですが、それ以外の登記はやる気になれば個人で可能でした。

 これで一安心とおもっていたら、最後は火災保険でした。不明にも工務店は建築中の家に対して保険をかけておられということを知りませんでした。鍵を施主にわたせばその保険は当然終わります。しかし、こちらが実際に住みだすまでは多少のブランクがあります。住みだす日から保険をかけたのでは空白期間が生じます。わずかな期間ですが、借金をして建てた大事な家です。無保険にしない心がけは重要かと思います。

 今回はコイデさんをはじめ工務店、多くの施工者の方々に助けられながら、施主として一貫して建築過程に関わることができました。その分つくったという実感があります。建売住宅は「買う」ですが、今回はまさに「つくる」でした。よい経験をさせてもらったと思います。

コイデ> 分離発注や施主支給品をどこまで取り入れるのがよいかは工事の規模や施工方法によります。コスト的に一番賢く納まるように選びましたが、施主自ら管理しなければならないものも多く大変だったと思います。
 工務店選定はコイデが知っているところとSさんが探してこられたところと複数社で見積りをとりました。よく知っている大工さんにも声をかけましたがスケジュールが合わず請けてもらえませんでした。(正直に責任をもって請けられないとはっきり言ってくれるので信頼してるのですが、残念でした。)
 さて、でてきた見積書の結果は予算を上回っていたりこちらの条件と合わなかったりで、再度施主支給分や仕様を見直してあらためて見積りをとることに…。今度は初めての工務店さんも数社加えました。結果的には、地元でという条件をふまえても、直接会ってお話して第一印象がよかったところになりました。
仕上げ
屋根:日本瓦(淡路瓦)
外壁:高千穂・しらすそとん壁
木部塗装:オスモカラー
構造材:スギ、梁は一部米マツ<施主支給>
造作材:スギ
床板:スギ、竹フローリング<施主支給・建材市場で購入>
内装:チャフウォール、 ターナー・Jカラー、  ピラミッド・ケナフ壁紙、 桐合板
キッチン・ユニットバス:タカラ ホーロー
衛生陶器:TOTO タンクレスタイプ

別途工事
断熱工事、電気工事

施主支給のもの
玄関ドア・勝手口ドア<建材市場で購入>
丸窓・給湯器・混合栓・サムラッチハンドル<ネットオークション等で購入>
照明器具全般・カウンター材・その他小物

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